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続発する公共機関の電気事故

 前の職場を辞めたのは3月31日で、それから数日して、その職場で漏電火災があったらしいという話を聞いた。

 一昨日は、東京のJRの変電所で火災があって、電車が止まったという記事を読んだ。

 私はこういう話を聞いてもあまり驚かない。むしろ、今後こういうことは増えていくだろうとさえ思っている。

 ここ数年、公共機関では入札制度が変更となり、多くのところで競争入札が取り入れられるようになってきており、これは一面ではこれまでの談合によるぼったくりよりはましなところもある。

 しかし、一方では、相当ひどい“安売り”業者も参入するようになってきており、普通の業者もその対抗手段として、入札価格をギリギリまで下げてきているという事情がある。

 そしてこの“安売り分”の大半は人件費の削減によって埋め合わされている。だから、近年、設備の維持・管理をしている労働者の賃金水準はかなり低下している。

 つまりメンテナンス会社の“安売り”にあわせて、メンテナンス労働者の賃金も安売りを強要されるようになっている。

 問題を起こした鉄道会社とは違う鉄道会社ではあるが、ハローワークで募集していた鉄道会社の変電所勤務の給料はおよそ21万円だった。これでは生活もできないのだから、普通の電気労働者は仕事を続けたくてもできないし、新しい人も入っては来ない。労働に見合った賃金が支払われないのだから、メンテナンス業界から人材の流出が続いている。

 前の職場でも、今年の入札は異常だった。二回入札をやって、二回とも「入札成立せず」という結果に終わったのだった。理由は、当局の「予算見積」が低すぎて、「予算超過」になったためだった。応札する業者が一社もなかったので、当局は私の会社と“談合”して、何とか入札価格よりも低い金額で落札させたが、そのために会社が職場の人にいってきたことは人員の削減と、賃金の切り下げだった。

 それで私は前の職場を辞めざるをえなかったのだが、そういう人は私のまわりにもかなりいる。この業界はもともと労働組合の組織化が進んでおらず、個人的な解決(つまりより労働条件のよい職場を求めて転職するということ)を強要されることが多かったが、それが、今では、労働条件が劣悪化した公共機関からより多くの賃金が期待できる病院や 工場、大規模施設といった職場への設備労働者の移転の流れができつつあり、この流れはますます太くなりつつある。

 だから公共機関が設備の管理・維持費をケチっている分だけ、確実に、設備の維持・管理の技術水準や仕事の質が低下してきているのだから、それは仕方のないことであろう。

 

 

 

 

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