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朝礼は自主参加でよいか

 病院を見回ると看護師さんたちがミーティングをしているのをよく目にする。朝・昼・晩と一日の労働時間の節目、節目でスタッフステーション(ナース・ステーション)に集まってはお互いの仕事の確認をしている。
 
 以前に、建築現場に電気工事で入ろうとしたとき、JV(建設工事企業連合体)の監督に「お前らは朝礼に出ていないから現場への立ち入りは禁止だ」と入構を断られたことがある。
 
 私はJVとは違う追加工事のために入ろうとしており、JVの指示に従う義務はなかったのだが、監督の指示に納得して、翌日出直し、朝礼に参加してようやく現場に入れてもらったが、私自身は監督の指示は当然のことだと思っている。
 
 今は特別高圧(5万ボルト以上)の開閉器は絶縁性のガスで封印されていて、人が触れることはまずないが、昔は充電部が露出しており電線が大きな碍子(がいし)で止めてあったので、定期的に碍子を清掃する作業があった。
 
 こういう作業は臨時の作業だったので地方からの出稼ぎ労働者がやっていたのだが、ある日の午後、昼休みが終わって午後の作業が始まる時に、現場は騒然となった。
 
 一人の労働者がみんなとは違う方向に歩いていったからだった。他の労働者たちは大声で「そっちの方にいくな」と叫んで、何人かの人は走り出したが、その人は聞こえなかったのか近くの碍子に登って、特高電線に接触してしまった。
 
 朝の朝礼の時に、現場責任者から午前中は1号線の碍子清掃をやって、午後から2号線の清掃を行うが、2号線の清掃をやるときには、1号線は生かす(通電させる)から1号線には近づくなという指示があったのだが、その労働者は家族に電話をかけにいっていて、朝礼には参加していなかったのだった。
 
 幸運なことにその人は、右手を失ったが、一命をとりとめた。
 
 朝礼時には、重要な作業手順や、作業の変更点が伝達される場合があるので、そういうことを確認しないと非常に重大な事故につながることもある。
 
 だから朝礼なり、朝のミーティングは当然職務に含まれ、労働時間に入れられるのだが、大阪府では朝の朝礼を始業時間前に行い、自主参加とするのだそうである。
 
 これは始業前の朝礼はサービス残業になるという女性職員の抗議にたいして、大阪府の知事が自主参加なら問題はないだろうということでそうなったという話だが、はっきり言って、現場で働いている人は朝礼に参加しないとその日の仕事はできない。
 
 だから自主的といっても、企業の「改善提案」運動のように、半ば強制的なものであり、サービス残業(タダ働き)を強制しているという点では、より悪質な不当労働行為といえるだろう。

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