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賢い税金の使い方

 空調関係からいうと今は“中間期”(暖房運転と冷房運転の中間期)ということになっている。

 この時期がむずかしいのは暑い、寒いは人の感覚であり、人の感覚はかなり個人差があるということだ。

 暖房にすべきか冷房にすべきかむずかしい判断を迫られるのだが、事態をむずかしくしているのは、“お金”の問題。当然のことながら、この時期、冷暖房を停止するのと、冷房運転にするのでは経費に大きな差が出てくる。(冷房は特に電力、ガス、水を大量に使用するので毎日数十万円の追加的な運転コストがかかる)

 そこで、「できるだけ引っ張れ」(冷房運転に入る時期を先にのばせ)ということになるのだが、そういうことで矢面に立つのは看護師さんたちである。“お客さん”つまり患者さんからの暑いなぜ冷房をいれないのかという苦情は看護師さんに集中する。

 そこで「ちょっと、いらっしゃいよ」と呼ばれて、看護師長さんらと(看護師長)補佐さんらにとりかこまれて、冷房はどうして入らないのかとつるし上げられることになる。

 私は会計課が許可しないからといっていつも逃げているが、実は、この病院の設備設計はそういう問題を解決するように設計されていたのである。

 この病院の空調設備を見せてもらって驚いたのは、最新式の4管式の配管(冷水系統と温水系統を別々に配管する方式)がなされていることだった。この方式だと、冷水と温水を同時に別々に循環させることができるので、あるところでは冷房がなされいても、別のところでは暖房運転ができる。だからそれこそ“お客さん”の異なった要望にも答えられることになる。

 ところがもっと驚いたのは、4管式の配管は熱源装置の近くところで終わっており、熱源装置のまわりは2管式になっていることだ。2管式だと行きと還りの管しかないので、循環させる水を冷水にするか温水にするか、つまり、全館冷房にするのか全館暖房にするのかのどちらか一つしか選べない。(部分的な冷房運転ができない)

 なんで全館を4管式の配管にしながら熱源のまわりだけ2管にしているのか、これだと4管式の配管にしている意味がまったくないではないかと質問すると、答えはきわめてシンプルなものだった。

 つまり、途中で予算がなくなったため、9割方完成していた4管式の冷暖房方式をあきらめて2管式の冷暖房方式にしたというのである。これは確かに、予算上での採算は合うかも知れないが、4管式のために投ぜられた数億円の投資はまったくムダになってしまうのではないだろうか?

 同じことは、四月までいた某公共機関でもあった。

 そこでは高調波(ひずみ電流)対策が問題となっており、私は意見を求められたので、多くのところでは規定以上の高調波(ひずみ電流)が流れたときに自動的に高圧コンデンサを遮断するカットアウト装置をつけている、と答えたが、担当のお役人はそれでは満足せず、アクティブ・フィルターという高調波を取り除く装置を2機導入した。

 それは1機1億数千万円もする高価な装置だったが、導入して数ヶ月もしないうちに、そのお役人さんはその装置が電力を非常に大量に消費する機械であることに気づいた。

 そのお役人さんは「省エネ」担当でもあったので、すぐに機械を停止して一ヶ月に数時間程度試験運転をするだけにせよ、というお達しがあった。

 つまり三億円近い税金を投じて購入された機械は一ヶ月のうちに、ほんの数時間程度試験運転をするだけのために使われることになってしまったのである。(もちろん、常時運転していなければ高調波対策にならない。)

 こういう中途半端で無計画的なやり方では税金はいくらあっても足りないであろうということは自明だろう。

 

 

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