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育休取得第1号は失敗

 病院で働いている看護師さんの着ている“白衣”は微妙に違う。病棟の看護師さん、外来の看護師さん、オペ室(手術室)の看護師さん、それと介護士さんと看護助手さんと看護学校の学生さん。

 看護助手さんは昔は“准看護婦”と呼ばれていたそうだが、現在はかつてのような“准看制度”はない。

 そこで気になるのは、この看護助手さんたちのなかには、正看護師の資格を持っている人が何人もいることだ。

 その人たちの多くは夜勤ができない、フルタイムとして働けないということで、不正規雇用の身分に甘んじているママさん看護師さんたちだが、こういう低賃金の不正規雇用はあまり好ましいものではない。

(こういう人ばかりではなく看護助手一般を正規雇用にせよという見解もあるが、私はそういう見解にはあまり賛成はできない。「たかが資格、されど資格」という面はある程度あると思うからだ。つまり、どの職業でもその職業に就くにあたって必要な一定の能力や知識を資格として担保しているという面があり、そういうことをあまり軽々しく考えるべきではないと思うからだ。たとえば私の職業である電気工事にしても、電気工事士の資格のない人が何人も電気工事に従事している。私はそういうことにあまり文句は言ったことはないが、高圧電気工事や電源工事などのある程度以上の技術や知識が必要な作業は資格者しかやらせないことにしている。)

 こういう情況が生まれている背景には、現在の女性労働者が抱えている困難がある。男女雇用均等法が施行され、育休制度は民間でも普及し始めているが、それでも子育てと女性が社会に出て働くことを両立させることの困難は残っている。

 本来ならこういう困難を解消するための施策がなされてこその「男女共同参画」の社会であろうが、むしろ経営側はこういう女性労働者の足元を見て、低賃金と劣悪な労働条件を押しつけているのである。

 したがって単に制度ができたからというだけでは解消できない問題は依然として課題として残っているし、こういうことはだいぶ前から明らかであった。

 恥ずかしい話だが、私が以前働いていたビルメンテナンス会社でも鳴り物入りで育休制度が導入され、経理をやっていた女性労働者が取得第1号となった。

 ところが、その女性労働者が職場復帰をするとき“大問題”が起こった。彼女の所属していた経理部門ではもう新しい女性労働者が雇用されており、彼女が復職すると定員オーバーになるから職場復帰はできないと会社が言い出したからである。

 育休制度を導入して、育休が終わって職場復帰をしようとしたら、元の職場はもう定員いっぱいだから、職場復帰はあきらめて退職してくれというのはあまりにも理不尽な話ではあった。

 当時私は、技術部の係長をしていたので、人事課長にその件で談判に行ったが、人事課長は、「君がこの問題でごねると、彼女と彼女のダンナさんが迷惑するのではないか」といった。

 彼女のダンナさんは警察官で巡査部長に昇進したばかりだそうで、私のような“全共闘くずれ”と関わりをもつと、警察内部で問題になるそうである。

 私が彼女にその話をすると、「わかりました。職場復帰はあきらめます。」といって泣き出してしまった。

 あの時はどうしょうもなかったが、どうしょうもないというだけですむ問題ではない。

 

 

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