« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »

2008年6月

がんばれ! 四日市の消防士

 四日市の消防士280人が深夜の勤務時間中に設けられている仮眠時間を労働時間に含めるように求めて闘っている。

 これは決して消防士の問題ばかりではなく、労働者全体の問題である。

 というのは、現在の労働基準法では、午後10時から翌日の午前五時に働いた場合、深夜勤務として割り増し賃金を支払うように定めているが、労働者の賃金を削ろうとする資本や経営当局はこの割増賃金を払うのがいやで、24時間勤務の場合、この午後10時から午前5時までを仮眠時間として休憩時間なみに賃金を払わない労働時間としているからだ。

 しかし、24時間勤務の多くの職場は、消防士や警備員そして設備管理労働者、電力・ガス・給排水の保安要員といったものであるが、仮眠時間といっても、警報が鳴ったり、異常を知らせる電話があった場合、飛び起きて、現場へ駆けつけなければならない時間である。

 私はもう何年もこの仕事についているが、警報が鳴る頻度は一晩に何度かある日がほとんどである。そして設備に深刻な異常が発生すれば、不眠不休となる。

 そういう仕事であるといえばそれまでだが、この時間に対する賃金が支払われていないのはやはりおかしい。私の周辺でもこの話(仮眠時間に対しても賃金が支払われるべきであるという話)は何度も出てきており、私自身も会社に申し入れたことがあったが、答えはいつもそういうことをやっている会社はないという実に素っ気ないものだった。

 実例がなければ、労働者の闘いで実例をつくるべきであるというのは実に懸命な、そして勇気づけられる話である。

 そういう点では、この消防士の闘いの背後には何十万、何百万人もの深夜労働を行っている労働者がついているのだということを忘れないでいただきたい。

 そして、この仮眠時間と労働運動の闘いは、もう一つの大きな問題、8時間労働の3交代勤務で深夜労働に仮眠時間がない労働者の問題をも忘れてはならない。

 人間はもともと夜働くようにはできていない。だから深夜のみ8時間労働というのは、生理的に無理がある。だから1時間でも、2時間でも仮眠を取れるような労働形態が望ましいのであり、そのための仮眠時間であったのである。

 だから、仮眠時間を労働時間に含めよという24時間労働を行っている労働者の要求は、深夜勤を行っている労働者には有給の仮眠時間を与えよという要求でもある。

 労働者が人間らしく働くための闘争こそが今の時代のテーマであり、四日市の消防士たちの闘争はその先駆けである。

 がんばれ!四日市の消防労働者、諸君たちのあとには、何万人という深夜勤労働者が続いていくだろう。

| | コメント (30) | トラックバック (0)

病院は命の交差点

 この病院は産婦人科もあって、産婦人科は結構繁盛している。新生児室の中の保育器の中にはいつもいつも5匹以上の新生児がフミー、フミーと鳴いている。子どもの泣く声は神経にさわることが多いのだが、新生児の声は何か心をなごませる作用がある。

 そうかと思うと、先日、夜間の見回り時に、電話ボックスの近くで人影を見つけたので近寄ってみると、うす暗いなかで若い女性が、うずくまって泣きながら「お父さん、もう助からないんだって」と電話をかけていた。

 私はすぐにその場を離れたが、「もう助からないんだって」という声が何度も、何度もよみがえってきた。もちろん、こういうことについて単なる設備管理員である私にできることは何もないのだが、生まれる出るものと死にゆくものが交差する場所として病院は独特の雰囲気を持っている。

 もちろんこういった情緒に溺れていては何も解決しないが、こういう情緒を考えずしてものごとを議論するのもやはり間違いなのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »